甲子園で偉業達成なるか!?
金本知憲外野手が、2000本安打に王手をかけました。無数のフラッシュが光った九回の打席は三振でした。東京ドームでの大記録達成と巨人戦3連勝は逃しましたが、最高の舞台がアニキを待っています。8日からは甲子園開幕となる中日3連戦です。
  
 
あと2本で迎えたこの試合、ボルテージはのっけから最高潮に達しました。初回。金本木佐貫の直球を中前にはじき返し、いきなり2000本安打に王手をかけました。記録とともに、巨人3タテに向かう気迫が一塁に立つ主砲の目にみなぎったようです。しかし、投手陣が崩れ、打線も木佐貫の前に沈黙。金本も初回以降の2打席は、いずれも外野フライに倒れてしまいました。
 
1999本目の安打を目に焼き付けた東京ドームのファンも、納得して球場を出ました。8点ビハインドの九回一死。「金本、金本!2000本」の大合唱に、複雑な声が交じっていたようです。「打ってくれ。」「いや打たなくてもいい」。その一瞬をとらえようと、おびただしい数のフラッシュが放たれていましたが、それと同時に、『負け試合にアニキの偉業は似合わない』-とばかり、心のトーンを下げました。「甲子園でいい!」。そんな声があちこちで漏れていたそうです。金本が空振り三振に倒れても、落胆の声は少なかったようです。
 
九回の打席に向かう前、ネクストサークルでバットを振る金本は、三塁側ベンチ横のブースに陣取る球団首脳の視線に気づきました。
 
大差敗戦の試合で、チーム至宝の大記録をあっさり終わらせるわけにはいきません。結果的には、金本が球団の発した“空気を読んだ”形となったようです。
 

試合後金本は、苦笑交じりに、思わず本音を口にしました。

金本知憲外野手
「(2000本安打は)早く終わらせたいね。こういうことは面倒だから。マスコミが、いつまでも付いてこないようにね」

ジョークも交えましたが、試合とは無関係に騒がれる「あまり興味がない」記録は早々に通過して、ペナントに集中したい気持ちが強いようです。 

金本の心とは裏腹に、周囲の盛り上がりは日々高まるばかりです。それでも金本自身の高ぶりは「あんまりないよ」と、自然体は変わりません。
 

だが、全国のプロ野球ファンも、その瞬間を待ちわびています。いよいよファイナルカウントダウン。4月8日。甲子園を埋める4万超の大観衆が、歴史の目撃者となるようです。

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